VOL.24
今回より語学の先生紹介シリーズとして、いろいろな言語の先生を紹介していきたいと思います。初回はベトナム語企業研修や個人レッスンを担当しているチュ ティ フーン アン先生です。
今回を含め2回に渡ってアン先生をご紹介させていただきます!長年にわたりディラでベトナム語コースのレッスンを担当していただいており、受講生からもとても楽しく、そして分かりやすいと評判の先生です。ベトナムに興味がある方、ベトナム語学習している方も、これから学習しようと思っている方も必見です!
この記事をきっかけに、ベトナムやベトナム語について、アン先生についてより知ってもらえれば幸いです。
1.好きな日本語の単語・ことわざはありますか?
好きな単語がたくさんありますが、なぜか「一期一会」と「わびさび」は一番響きます。
留学を決めたのは24歳のときでしたが、決心できたのは「一期一会」を考えたからです。桜が散って落ちた瞬間「わびさび」の美しさと悲しさが混ざったとても複雑な気持ちを感じることができます。ベトナム語に翻訳できない言葉なので、これは本当に感じるしかない言葉ですね。
2.自国ベトナムで好きな、またはお勧めの食べ物はありますか?
フォーやバインミーはよく知られていますが、実は南部の人はフォーよりビーフンを食べていますね。弾力があり、すぐ伸びないのでゆっくり食べられます。冷やし麺にもできます。
私はベトナム料理屋さんに行くと必ずブンボフェ―(ブンボーフエー)を頼んでいます(下写真)。太い面で牛すじやハムなど色んな具が入っており、甘酸っぱいピリ辛の味です。これはまず間違いないです!ぜひ食べてみてください。
ちなみに、「ブン」はビーフン、「ボ」は牛、「フエー」はベトナムの都です。南部と中部で食べるとそれぞれの味を楽しめます。
3.ベトナム旅行や観光地など、是非観て欲しい(訪れて欲しい)場所はありますか?
海が好きな方はぜひフークオック島とコンダオ島の海の美しさを実感していただきたいです。ダナンとニャチャンと違い、まだ開発中なのでありのままの姿をしており、シーフードも美味しいです。
山が好きな方はぜひクアンビン省とサパをお勧めします。クアンビン省は洞が多く、田舎の平和な風景を見られます。秋のお米の収穫時期にサパには無限の棚田を楽しめながら少数民族の日常生活を体験ですます。
4.先生の好きな文学者・歌手や音楽・俳優・コメディアンがいたら教えてください。また、言語以外の特技や趣味、興味のある事はありますか?
『嵐』が好きで日本に留学に来ました、と言ったらビックリさせてしまいますね(笑)でも当時嵐のコンサートに行きたい、同じ空を見たいと思い、留学を決めました(もうちょっと真面目な目標が良かったのにすみません、、)
小説と漫画、アニメが大好きです。初めて読んだ日本語の小説は渡辺淳一筆者『無影灯』でした。かなりの印象が残っています。また、村上春樹先生の『ノルウェーの森』は丁度二十歳の時に読んだので「若者」と「時代の変動」について深く考えさせてくれました。
今は30代に入ってから趣味も興味も変わり、なぜか家庭菜園とお茶に夢中になっています。菊、バラ、カモミール、ハーブなどを育てて乾燥させてハーブティーの毎日です。なんか落ち着きます。
特技ではないですが、コロナ禍で緊急事態宣言になった2020年からピアノを独学しています。全く無縁だと思いましたが、1曲引けるようになって、とても満足です。
これからの人生はぜひ茶道と生け花、そして書道を習いたいと思います。
5.先生が次に行ってみたい国はどこですか?またそれはなぜですか?
スイスです!スイスの自然に囲まれる町の平和を感じたいです。北朝鮮の本当の姿も気になりますので一度行ってみたいなと思います。
でもその前にベトナムに一時帰国したいですね。コロナ禍になってから3年も帰れていないのです。
6.先生は日本語が話せますが、日本語を学習しようと思ったきっかけは何ですか?
私がまだ小さいころ日本ドラマ『おしん』がベトナムで放送されました。当時はインターネットがなかったので主人公の「おしん」から日本人のイメージができました。勤勉で忍耐強い、その印象は今でも変わりありません。その後、『ドラえもん』や『ちびまる子ちゃん』などを読んで日本の事をさらに知ることになりました。
しかし日本語を勉強したのは日系企業が圧倒的にベトナムに投資したからです。日本語が話せる人材が必要とされ、専攻しました。(当時日本語がこのように難しいと知らなかったです 笑)。でも、勉強し始めると日本文化への親近感を抱き、異文化理解には全く違和感がありませんでした。よく自己紹介で自称していますが「私は前世日本人でした」と。
7.先生が日本語を勉強する中で一番難しい、または簡単だと思ったことは何ですか?ベトナム語と日本語の似ている部分、または大きく異なる部分はありますか?
難しいことが山ほどあります!笑
まずは語順ですね。日本語は「主語―目的語―動詞」ですがベトナム語は英語と同じ「主語―動詞―目的語」なので、慣れるまで時間がかかりました。
それから日本に来てから初めて気づきましたが、「そ、そう、しょ、しょう」の発音はベトナム人にとって特に難しいです。また、不規則の類別詞(ウサギの類別詞は「羽」、マグロの数え方は「匹」と「本」等々)も覚えにくかったです。
でもベトナム語には漢越語があり、日本語(音読み)と似たような発音の言葉があります。「注意」「連絡」「結婚」はその一つの例です。ベトナムも中国の文字を借りて使いましたので言葉とその発音(広東語)が残っています。但し、今のベトナム人は漢字がかけません。日本語、中国語を習ってから初めてその言葉の漢字を知りました。
8.知っていると便利なベトナム人が良く使う単語・表現はありますか?
“anh ơi”(アインアイ) “chị ơi” (チアイ)“em ơi” (エムアイ)
Anh = お兄さん Chị = お姉さん Em = 妹/弟
“ơi” は人を呼びかける時、付け加えて話します。
ベトナム語の人称代名詞は家族内の呼び方と同じです。相手の性別、年齢により<おじいさん><おばあさん>から<兄><姉><妹><弟>から選択して呼びます。
ですので、見知らぬ人同士ですが、この一言で一気に親近感が湧き、相手が困ったら助けたくなります。道で、観光先で、隣のベトナム人にこのように呼びかけたら、すぐ親しくなり、助けてもらえます。
また、お店では「すみません~」と店員を呼ぶことにもなります。
9.初めて見た・知った時驚いた日本の習慣はありますか?また、日本に来て便利だと思ったこと、不便だと思ったことがあれば教えてください。
日本に来た当初オリジン弁当でアルバイトをしました。一番売れたのは唐揚げでビックリしました!テキストに載っていた日本料理はお寿司、刺身、天ぷら、すき焼きなど、ヘルシーな食事のイメージなのに!実際に唐揚げの方が売れていますね。
便利だと思うことはたくさんありますが、まず一つあげると、日本のトイレは素晴らしいです。どこにでもあるし、色々な機能が付いているし、とても清潔です。他の国にも行きましたが、やはり日本のトイレはすごいです。もう一つはATMですね。ベトナムのATMは引き出しはできますが、預け入れはできないです。コンビニと配達サビースも文句を言わせないクオリティです。
不便ではないですが、気になるのはゴミが多く出ることです。ジャガイモ一個ずつパックされることにビックリしました。環境保護の視点から見るとビニールを削減してほしいですね。街中ではパンフレットやティッシュが普通に配付されていますがそれも紙の資源になりますね。
いかがでしたか?次回は学習が苦手な方へのアドバイスやベトナム語の学習のポイントなどをお聞きしています。お楽しみに!
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投稿者:
スタッフK
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