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DILAの語学教育コラム

VOL.43

言語への興味そして広がる世界へ

アラビア語の受講生、岩下恭士さんに訊きました。定年後のライフワークになぜアラビア語の学習を!?岩下さんは視覚障害者ですが、どのように学習しているのですか!?

ノートや本の絵

2019年9月からDILAの個人レッスンでアラビア語を学んでいます。子供のときにイタリアに5年間住んでいたことと、社会人になってから1年間の記者留学でカナダに住んでいたことからイタリア語、フランス語、英語の日常会話にはあまり抵抗ありませんが、アラビア語の難しさは5年間学んだ今でもひしひしと身に染みます。

アラビア語、というかエジプトに興味を持ったのはイタリア時代に訪れたロンドンの大英博物館で見た古代エジプトの石碑、ロゼッタ・ストーンでした。石碑には古代エジプト語のヒエログリフと民衆文字、ギリシア文字でファラオの勅令が刻まれています。アラビア文字は書かれていませんが、普段見慣れない未知の言語に、エジプト、中東への憧れみたいなものを強く感じました。

岩下泰士さん

2019年8月にエジプトのアレクサンドリア図書館で開かれたIFLA(国際図書館連盟)の国際会議に取材記者として招かれるという思いがけない機会をいただいて、アラビア語の学習が現実のものとなりました。定年後のライフワークとしてアラビア語を選んだのはこのときです。

中途失明で全盲の視覚障害者である私がどのようにアラビア語を学ぶのかいつも不思議がられます。実はアラビア語の点字はアルファベットや日本語と同じ1文字六つの点からなる触読文字です。アラビア文字の最初の三つ、アリフ・バー・ターはアルファベットのa、b、tと全く同じ形なのです。

表記も右から左ではなく、欧米語と同じ左から右です。このおかげでFacebookやLINEなどのSNSで母語話者ともコミュニケーションができています。あのニョロニョロした文字を習得しなければならない目の見える人より私の方がアラビア語学習においてはハンディがすくないのではないかと感じています。

岩下恭士

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スタッフH